一戸建て住宅に住んでいると、築年数の経過とともに排水口に詰まりが出てきます。
定期的な排水管の掃除をしていればそこまで詰まらずに済みますが、排水管の掃除を知らされていない場合や、掃除自体をしないで年数が経ってしまうとどうしても埋まりが出てきます。
その詰まりを解消するための掃除方法を原因と合わせて詳しく紹介します。
目次
排水が流れない場所
排水管の詰まりは、排水口から排水本管までのどこかで発生するのですが、一般的には、排水管が曲がっているところや排水の流れが緩やかなところで詰まりやすいです。
詰まりの起こりやすい排水管の場所は、排水トラップ部分と横引き管部分が主です。
それぞれの場所について詳しく紹介していきます。
◇排水トラップ
まず、排水管が曲がっている部分といえば、排水トラップがあります。
排水トラップとは、水を常に溜めておく設備で排水口のすぐ下につくられています。
常に排水トラップに水が溜まることで、下水道からの悪臭や硫化水素などのガス、害虫やネズミなどの生物を遮断し、屋内への浸入を防いでいる装置です。
排水トラップには3つの種類があります。
つまりの要因としては>3つのトラップ部分となります。
それぞれのトラップ部分を詳しく見てみましょう。
ワントラップ
キッチンの排水トラップには、一般的にはワントラップが使用されていることが多いです。
ワントラップは、お椀のようなものが排水口のすぐ下にかぶさった構造となっています。
キッチンの排水トラップの形がワントラップの場合は、下に抜ける管がまっすぐにできているので、詰まることはほとんどありません。
Sトラップ
Sトラップとは、トラップ部分がS字に曲がっています。
Sトラップは、排水口が小さい外国製のシンクによく使われていて、排水管をS字に曲げることで排水が溜まるトラップをつくっています。
Pトラップ
Pトラップとは、トラップ部分がP字に曲がっています。
Sトラップと同様、排水口が小さいシンクによく使われています。
排水トラップは、排水管には必要不可欠な部分ですが、SトラップやPトラップのように曲がりくねった構造の場合は詰まりを起こしやすいのです。
◇横引き管
キッチンや洗面所、風呂場、洗濯機から出た排水が合流し、住宅の敷地外に流れていく横引き管も、排水の詰まりを起こしやすい部分です。
横引き管は、その名の通り横向きに排水を流す配管で、住宅排水を排水本管へと送り出す役割を果たしています。
横引き管は、水平ではなく水が流れるようにわずかな傾斜がつけられています。ただし、横引き管の距離が長いとどうしても流れが弱くなり、詰まりのもとが堆積しやすくなります。
キッチンクリーニング:つまりの原因
毎日料理をしていると、知らず知らずのうちに食べ物のカスや小さなゴミが排水口へ流れていってしまいます。これらが排水トラップや横引き管に堆積すると、詰まりの原因となります。
つまりの原因となる汚れについて詳しく紹介します。
◇油脂の汚れ
料理を作るのに油は欠かせません。
また、食材そのものに脂分が含まれているものもあります。
料理の下ごしらえのとき、調理中、後片づけするとき、キッチンではどうしても脂分が排水の中に流れ込みます。
少しの油量なら大丈夫だと思ってついつい流してしまいがちですが、油は水に溶けにくく、粘り気があって流れが悪いので、排水に流すと冷えたときに固まってしまって溜まりの原因になります。
油脂をできるだけ排水管に流さないようにするには、多少面倒ですが食器や鍋を洗う前に残った脂分をキッチンペーパーなどでふき取ることを心掛けましょう。
◇洗剤による汚れ
洗剤は脂分を落とすためものでもありますが、その反面、成分が脂とくっついて、石けんのような塊となることもあります。
それが排水管の中で滞留付着してだんだんと大きくなり、排水の通り道をふさいでしまいます。
外の排水マスのふたを開けると白い塊が見えることがありますが、それが脂分と洗剤が反応してできたものです。
洗剤は食器を洗うために必要なものですが、何も考えずに使うと白い塊ができやすくなるので、量をうまく調整しながら使うように心がけましょう。
中には洗剤を使わないで、水だけでしっかりと洗えるスポンジも販売しています。
キッチンクリーニング:排水口の掃除
排水溝に水が流れなくなった場合、つまりが発生しています。
詰まりを取るためのやり方がいくつかあります。
その詰まり除去作業をやり方別に紹介します。
◇パイプクリーナーを使用
パイプクリーナーを使って掃除するときに必要な物
パイプクリーナー・歯ブラシを準備します。
排水口のふた、ゴミ受け、ワントラップを外しましょう。
ワントラップにロックがついている場合は、反時計回りに回すとロックは解除できます。
排水口の穴にパイプクリーナーを入れます。
30~60分ほど放置してから、水で流します。
部時間経過後に品を掃除して戻します。
外した排水口のふた、ゴミ受け、ワントラップを歯ブラシで掃除します。
掃除したら元の位置に戻して完了です。
◇ローポンプを使用
ローポンプ・歯ブラシを用意します。
ローポンプは、ラバーカップ、真空式パイプクリーナーでも代用可能です。
まずは排水口のふた、ゴミ受け、ワントラップを外します。
ワントラップにロックがついている場合は、反時計回りに回すとロックが解除されます。
水が引いている場合は、排水口に水を溜めます。
ローポンプを排水口にゆっくり押し付けて、力を入れて一気に引き上げてください。
一回でうまく取れなければ、数回繰り返し行うと、詰まりが解消されます。
外した排水口のふた、ゴミ受け、ワントラップを歯ブラシで掃除します。掃除したら元の位置に戻して完了です。
◇ワイヤーブラシを使用
用意するもの
ワイヤーブラシ・歯ブラシを用意します。
排水口のふた、ゴミ受け、ワントラップを外しましょう。
ワントラップにロックがついている場合は、反時計回りに回すとロックが解除されます。
ゴミ受けに溜まったゴミは捨ててください。
らせん状のヘッドが付いたワイヤーブラシの先を、排水口の中に入れます。
途中で止まる場合は、角度を変えて押し込んでみましょう。
ワイヤーブラシを押し込むなかで詰まりがみられた場合、ワイヤーブラシについているクランクハンドルの固定ネジを締めて固定します。
クランクハンドルを回しながらワイヤーを回転させます。
一度で詰まりが取れない場合は、詰まりが解消されるまで繰り返し行いましょう。
詰まりが解消されたら一度ワイヤーブラシを抜き、ブラシ側から再度ワイヤーブラシを排水口の中に入れます。
ブラシで排水管内の汚れをはがせたら、ワイヤーブラシを抜きます。
最後に水を流し、スムーズに流れれば掃除完了です。
◇トーラーや高圧洗浄機を使用
ローポンプやワイヤーブラシを使用しても詰まりが取れない場合、業務用のワイヤーであるトーラーや高圧洗浄機を使用してみましょう。
トーラーの使用方法は、ワイヤーブラシと同様となります。
トーラーには電動タイプと手動タイプがあり、メーカーや機種によって力の大きさなど性能が異なります。
屋内の床を保護するために養生します。
洗浄に入ります。最初にキッチンの排水口から洗浄します。
屋内側の洗浄が終わったら、屋外にある排水口も洗浄し、汚れを完璧に除去します。
最後に養生を撤去し、作業完了です。
排水口の詰まり予防
排水溝のつまりが頻繁に発生するようであれば、予防対策を行うとそこまで詰まらないようにできます。
◇野菜カスを流さない
野菜を切った後、小さいからといってカスを水で流すなんてことをよくしませんか。
小さい野菜カスを排水口に捨てると、蓄積すると詰まりや臭いの原因になります。
野菜を切るときは排水口に網を張って、まな板についた野菜カスをキッチンペーパーで取ったりするなど、排水口に入らないようにします。
◇油汚れやコゲをできるだけ流さない
油汚れや焦げが付いたまま調理器具を洗ってしまうと、排水口の詰まりの原因になります。
調理器具の8分目まで水を入れてスプーンなどで汚れをはがし、キッチンペーパー等でくるんでから捨てます。
◇週に1回パイプ用洗剤で流す
週に1度程度、排水管とゴミ受けにパイプ用洗剤を流すことで、汚れの蓄積を防げます。
一戸建ての排水管は築年数に比例して排水が流れない回数が増えてくる!まとめ
排水口や排水管の汚れの原因や詰まり取り方法などについて紹介してきました。今まで排水口の掃除どころか排水管の掃除すらやったことがないという人はぜひ読んで参考にしましょう。
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